お名前を伺うと「田川久美子です」と言うので、とても驚きました。

「田川」と言えば「時にはいっしょに」。「久美子」と言えば南野さんの母上、南野久美子さんです。

その2つがダブルでフルネームを形成している奇蹟に、私はしばし呆然としていましたが、どうやらそれは妻の陽子も同じだったようです。彼女も驚きの目で田川さんを見ていましたから・・・。

でもそれは田川さんも同じだったようです。彼女も陽子をビックリしたように見つめていました。

田川さんが舞子と知り合ったのは学校の文化祭の時で、体育館で行われたカラオケ大会に「話しかけたかった」で参加したところ、もう一人「話しかけたかった」を歌っていたのが舞子だったそうです。

「舞子ちゃんはすごいです」とベタ褒めしてくれるので、舞子もテレていましたが、舞子の評価では「久美子ちゃんの方が上手」ということでした。

偶然かもしれませんが、今日ウチに来た目的というのは「時にはいっしょに」のビデオを舞子と鑑賞するのが目的だったそうです。

南野さんが過去に出演したドラマに「時にはいっしょに」というのがあって、その役名が田川季代ちゃんていうのよ、と教えてあげると、久美子さんはとても興味を持ち、「観たい!」ということになったそうです。

私は「時にはいっしょに」の台本を1冊入手できたので、暇な時に舞子と「時にはいっしょに ごっこ」をしていました。お茶の間で私が胡坐をかき、舞子は正座で会話するんですね。

それをどうやら舞子は久美子さんに話したらしく、「できたら演じていただけませんか?」と言うので困ってしまいました。

でも「一度、人前で演じるのも度胸が付くかも・・」と思い直し、レパートリーの中でもお気に入りの、「受験なのよ・・・受験する子にこんなに色んなことさせてる親なんているかなぁ!?」を舞子と演じました。

すごくテレましたが、演じ終えると「わぁ~~~っ!」と言いながら拍手してくれたので、「やって良かった・・」と思いました。

私からも、『田川さんの「話しかけたかった」が見たいです」と言いたかったのですが、なんか大人げないような気がして、何も言えませんでした。


 
※この物語はフィクションであり、実在の人物、団体などとは一切関係ありません。



参考資料

29Mina‐Youtube
https://www.youtube.com/@29mina10/videos