陽子だけに可能な振り付け
南野さんの「話しかけたかった」の中でも一、二を争うのが、2003年放送の「熟年版 話しかけたかった」です。
「パーフェクト話しかけたかった」と言ってもいい。
声のトーンも円熟期を迎えたことで優しい感じの響きが心地良く、聴く者の心を捕らえる魅力に満ちています。
また、撮影スタッフも、「パーフェクトな陽子の美を残すんだ」という使命感を感じさせるカメラワーク+ライティングで陽子を支えます。
そして3分29秒・・・ 奇跡の振り付けが披露されます。
「駆け寄って 話しかけたかった でも出来なかった♪」
ここまでの10秒。3分39秒までに見せたこの動作に、南野陽子のすべてが表現されている・・・
そう思えたのです。
伝家の宝刀であるロングスカートを揺らしながら、上半身から下半身までがしなやかに連動するその様はまさにヴィーナス。
自信に満ちたその歌い方も、多くのコンサート&歌番組を経験してきた過去に裏打ちされたものでしょう。
「話しかけたかった」という歌は、南野陽子という女性に恋をした男子すべてに送られた、神からの慰めなのだと思います。
サイババは以前、人も蜘蛛のように生涯、一夫一婦を貫くべきだと言ってた気がするので、やはりどんなに好きでも南野さんは一人しかいないため、諦めなければならない日が来る、それを見越してこの歌を与えたのだと思います。
でも更にすごいのは、この歌は女性が意中の人にアプローチする際に用いることのできる、最高の告白ソングだということです。
南野さんの歌&振り付けを真似ている内に、南野さんの持つヴィーナスパワーがそれを唄う女子たちの中に流れ込み、血肉化してしまうのです。
多分、南野さんご自身は自分がそんな偉大な仕事をしているとは思わないのでしょうが、実際にこの映像を観て影響を受ける女子たちは、今後も増え続けると思います。
参考資料
「サイババ 神の御業」 中央アート出版社
天上昇 著